(まとめ)高知市内中学校・高等学校プログラミング出前授業について

 

地元TV局も注目してくれた出前授業

H30年5月~9月にわたって、高知県が主催する高知市内における合計8校の中学校・高等学校にて実施されたプログラミング出前授業について、実施から大変遅くなりましたが、「振り返り」「気付き」「成果」「感想」などについてまとめさせていただきます。


-- 目次 --
1.出前授業の概要について
2.実施学校数
3.実施された期間
4.授業時間
5.先生の人数
6.授業の目的
7.使用したアプリケーションや機材
8.授業を始める前の準備
9.授業内容と全体の流れについて
  9-1.1時限目:Scratch
  9-2.2時限目:mBot
10.授業で配布した資料
11.感想や気付き、先生・生徒からの反応
  11-1.その①学校の先生からの反応
  11-2.その②先生役の人数は何人が理想?
  11-2.その③やはりロボットは偉大
  11-3.その④中学校と高等学校での温度差
  11-4.その⑤設備(インフラ)の違いに苦しむ
  11-5.その⑥けっこう体力がいる!
  11-6.その⑦教材選択が難しい
  11-7.その⑧プログラミング「で」何が可能か
12.まとめ

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出前授業の概要について

(主  催):高知県 産業創造課

(正式名称):アプリ開発人材育成講座<ベーシックコース>

(実施機関):[スタパ!]スターティングPCスクール(当プログラミングスクール)

(実施機関):アリヤス-パソコン教室・資料作成代行- 様(HP

 

実施学校数

(学 校 数):8校<内訳:公立中学校4校・公立高等学校4校>

(クラス 数):全20クラス

(生徒数平均):34名/1クラス

(先 生 数):3名体制

 

実施された期間

準備期間を含めた『5月末~9月末』までの、約4か月間の間にて、各中学校または高等学校を順次訪問して特別授業を実施いたしました。

 

授業時間

各クラス「2時限」ずつ

学校行事やスケジュールに合わせて、可能なら続けて、難しい際には日程を分けて実施。

 

先生の人数

3名体制。

1名(自分)が前で授業進行を担当し、残りの2名が教室の後ろから、または生徒を見守りながら移動しつつ適時フォローアップする体制。

 

授業の目的

これから必修化となるプログラミング授業について、お試しとなる「体験授業」を提供する。

 

使用したアプリケーションや機材

①Scratch2.0(スクラッチ、オフライン版)

②mBlock(エムブロック)

③mBot(エムボット、2.4G無線シリアル通信版)

④オリジナルロボット用コース

 

授業を始める前の準備

授業始める1時間前には訪問し、使用するPC全台に対し、USBから必要なアプリケーションをコピーして、あらかじめアプリケーションを起動・表示させておく作業を行った。

 

授業内容と全体の流れについて

各クラス2時限ずつにて、プログラミング初級者用の下記の内容を行いました。

 

(1時限目):Scratchを利用した猫のアクションゲームを作成

アクションゲームでプログラミングの考え方の基本を学ぶ

素材などは、某ブログなどを参考に、改造してオリジナル画像として利用させていただきました。

ここでは、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」を活用し、プログラミングの考え方を憶えながら、順序立てて体験するハンズオンの他、2時限目に繋がるようにアプリケーションの操作方法に馴れておく意図を含んだ流れとしました。

 

具体的な時間配分は・・・

Scratchの画面説明。(5分)

とりあえずScratchキャットを「10歩動かす」&「跳ね返る」&「スピード変更」して遊ぶ。(5~10分)

右矢印キーと左矢印キーでの「左右の動作命令」プログラムを一緒に。(10分)

上矢印キーで「ジャンプ」&「もし〇〇なら~を利用した重力」など。(10~15分)

プリントに従って残りのチャレンジ。(授業時間終了5分前まで)

次回の為にmBlockを開き、mBotの「前進」動作のみを体験(5分)

 

(2時限目):mBotを利用し、オリジナルロボットコースでの走破課題を提示

トライ&エラーとチームメイト同士の協力が必要となるロボット課題

サッカーフィールドを模した、オリジナルのA0判mBot用コースを作成し、4つの課題となる動きをそのコース上で試してもらった。

ここでは、Scratchによく似たアプリ「mBlock」を利用し、画面上の動きではない実際の「モノ」の動きを上手に制御できるのかを、2人1組のチームで自由に話し合いながら試行錯誤する時間を設けた。

mBotの動きについては最低限となる「前進」・「回転」・「距離の測定」方法のみを教え、この3つの動きを組み合わせて、生徒は課題に取り組むことになります。

 

具体的な時間配分は・・・

mBlockの画面説明とmBotの無線接続。(5分)

前回の「前進」の振り返りから「回転」を学び、90度ピッタリで回転を止められるかを検証。(5~10分)

超音波センサーによる「距離の測定」方法を学習後、条件ブロックを利用した動作制御サンプル。(5~10分)

チャレンジしてもらう課題の説明。(5分)

2人1組の、各チーム机に縛られず自由な検証による課題へのチャレンジ。(授業時間終了5分前まで)

各チームごとの簡単なワーク「自分の身の回りや社会において、もしも自分自身に自由にモノを作り出せる力があるならば、どのような機器(ロボット)を作りたいか」のテーマにてアイディア出し。(5分)

 

授業で配布した資料

実際の現場で行った活用方法と理由については、中学と高校の違いの段にて後述いたしますが、大雑把には・・・

・中学校  →プロジェクターで見せながら一緒に作業、資料は補足として利用。

・高等学校 →Scratch部分ではほぼ資料を見ながら生徒自身が作業、先生はフォローアップ。

としました。

スクラッチエムボット資料20180625

※アリヤス様作成、画像下部のコントローラーにてページスクロール可能です

※資料を利用したいとお考えの方は、まずは最下部のメールまでお問合せください

 

 


以上が、今回の中高出前授業の大まかな内容と流れとなります。

※内容は、高知県産業創造課様との打ち合わせにより決定したもので、各学校の担当者様にもお話ししながら進めました。

 

【感想や気付き、先生・生徒からの反応】

以下にて、実際にやってみた「感想など」を順次記載させていただきます。

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その①学校の先生からの反応

先生にも大変興味を持っていただける結果となった

今回の出前授業は、中高の先生の皆様からも全体的に好評を頂けた結果となりました。

どこでも好意的に協力して頂けて、「またやって欲しい」とのご意見ももらえたことは、自分自身にとっても大きな自信となる体験となりました。。

また、テキストの内容自体は2時間に収まるものとして簡潔にまとめられているので、授業中ある先生には生徒とご一緒に体験してもらうなど、楽しみながら学べる時間となったのはホッといたしました。

このテキストとロボットさえあれば「自分でも出来そう」と仰って下さる先生も。(アリヤス様感謝!)

 

 「先生が!」利用しやすいテキストと、「先生が!」利用しやすい機材である必要がある! 

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『先生にとっても導入しやすいテキスト』『導入しやすい機材』、この2つはとっても重要ですね。

 

その②先生役の人数は何人が理想?

よりハイクオリティな授業には何人が必要だろう?

学校では、担当の先生が1名だけでその授業を行うのが普通ではありますが・・・

実際に自分が授業に入ってみて、生徒数は30~40人、この人数を1名で導くのはかなり難しいと感じました。

いつも本当に苦心なさっている先生の偉大さが垣間見えます。。。

 

特に今回のような「アクティブラーニング」な授業は、1名で実施するのは現実的ではないというのが僕の意見。1人10名を見ると考えれば、最低でも3名以上の先生がプログラミングの授業には欲しいなと思います。難しいとは思いますが・・(><)

PCの操作自体、生徒達にとっては得意不得意も大きく開きがあり、人によっては苦手意識いっぱいの生徒もいますしね。

 

今回の出前授業では、1人1人の生徒をフォローしながら生徒の特徴を観察し、全ての生徒に同じように接するのではなく、むしろ全く違うアプローチだったりも与えることで、

  • 「勉強を楽しく感じる」
  • 「自ら学びを獲得していく」
  • 「プログラミングを身近に感じる」

以上のような3つの事が育めれば!初回としては成功なのかなと思っていました。

 

一緒に先生役としても手伝って下さった、県のご担当T様のご意見としては、

「ある程度自由度を持たせて楽しんでもらいながら進行しつつ、(授業の)統制も保つハイクオリティを求めるなら、これくらいの人数は必須かなと感じました。特に中高生はどんどん走っていける/いってしまう年齢なので、一人でやれと言われても先生がキツ過ぎます。2020年度以降の課題だなと思います。

とのこと。まさしく。。

 

その③やはりロボットは偉大

自分のプログラミング結果で「モノ」が動く感動(引用元HP

今回はScratchとロボットの授業を1時限ずつ。

1時間目のScratchでも十分楽しく、ワイワイ言いながら生徒同士でも話しながら授業進行が出来ましたが、やはりロボットの登場は違うらしい。

ロボットが登場して、ちょっと1秒間前進するだけで

「かわいい!!」

「すげー!」

など、これまでとはレベルの違う歓声が沸き起こります。

その後の、このロボットを使った課題となると、とにかく各チームが協力しながらトライ&エラーを積極的にくりかえし続けてくれるので、こちらのサポートやミッションクリア判定員の動きも激しい1時間となりました。

 

学習しました。。

 

 画面の中だけの動きより「目の前で実際に動くもの」の方が、生徒の「理解」も「学習意欲」も高まる! 

 

その④中学校と高等学校での温度差

画一的な学習はプログラミング教育にはそもそも不必要(引用元HP

中学生というと13~15歳。

一方、高校生は16~18歳。

この年齢の差は、プログラミング授業においても、生徒の反応や進捗の速さ、こちらの授業スタイルにも大きな変化を要求するものでした。

想像はしていましたが・・・やってみると最初難しかった(T_T)

 

一つ目は、生徒の反応のちがい。

中学校では、すべてのことにワーワーキャーキャー。

生徒は小さなことにも感動してくれて、新しく学ぶ事柄を一生懸命に取り入れようと頑張ってくれている姿が目につきました。

 

一方高校では、静かにこちらの話を聞いてくれますが、「なんでも取り入れようとする」姿勢というよりは、すでに自分のスタイルや考え方が強くあるようで「もの珍しいものを聞いている」ような姿勢。

 

すでに精神は立派な大人だと感じつつも、すぐには授業が盛り上がってくれない時間が発生したり、ちょっとだけ寂しい気持ちにもなりました。

その分、教師側の工夫や彼らとの対話の姿勢が問われてきますね。これも教職免許を持っていない僕にはとても貴重な体験でした。

 

二つ目は、授業の進捗の速さ。

中学校では前述したとおり、授業開始直後から「なんでも取り入れようとする」姿勢で、こちらにとても集中してくれているので、一緒に手を動かしながらの授業スタイルを採用でき、学習状況の偏りにも大きな差が出なかったように思いました。

30名の生徒がいたら、30名一緒にほぼ同じスピードで授業を終えることが可能でした。

 

ところが高校では、一人一人の「自分のペース」にかなりの開きが有るようで、中学校と同じように生徒全員で進捗状況を揃えながらの授業は無理がありました(最初の1クラスで時間をオーバーする失敗)。

そこで、プリント(PDF)を活用した個人ごとの自由なワークショップに変更し、分からない個所があれば、その都度挙手などをしてもらい解決していく手法を採用しました。

生徒間における学習理解の開きは、中学校より高校の方が、大きく差が出るように感じました。

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 中学校では「一緒に進めると楽しい」、高校では「個人を大事にして進めると円滑」! 

 

その⑤設備(インフラ)の違いに苦しむ

千差万別のインフラ事情

学校によって、設備が違っている・・・

これ自体はとても当たり前と思っていましたし、当然覚悟もしていたのですが・・

  • PCの動作速度と快適さも、学校によって様々
  • 「授業支援システム」での画面共有やファイル送信は思ったより効率が良くないかも。。
  • Bluetooth環境は有ったりなかったり
  • え!?USB刺すのだめですか?
  • タブレットとか流行っていますので、おしゃれな2in1の場合、USBコネクタが無い事が!
  • そもそも・・・地方の過疎化の進む学校ではPC自体が用意できないのでは?

などなど・・

やはり、実際に「こと」に当たってみると、かなりの困難を感じる点が有りました。

 

特に、外部からどのようにデータを持ち運ぶ(導入する)か!!

やっぱりこの1点は、大きな課題となりました(T_T)

今回お邪魔した学校では、高校ではUSBを刺して外部からデータを受け取るのはOKでしたが、「中学校ではNG」。セキュリティを考慮すると、この辺は理解出来ますし仕方ありませんよね。。。

問題は、今後必修化となりプログラミング学習をする時には、USBケーブルを利用して接続した機器などでデータの制御や分析を実施することも考えられるので学校側や教育委員会様も検討してくださっていると期待しております。

ちなみに、画面共有させたり、ファイルを生徒のPCに転送したり出来る、超便利そうなアイテム「授業支援システム」も、もちろんすべての学校に導入されているわけではありませんでしたし、後述いたしますが、ちょっと問題点も感じる個所がありました。

 

結局今回は、県の担当者様が頑張ってくれて、県保有のノートPCを生徒数分(最大40台ほど)お貸しいただいての授業を行う形で、乗り切ったクラスも。

えぇ・・・もう若くありませんので・・・例えば3階の教室までPCを運ぶ作業は、学生の時に引っ越しのアルバイトをしていた時の記憶を想起させるに十分な運動量でした(笑)

 

「授業支援システム」について

僕は残念ながら使いこなせませんでした・・(T_T)

ファイルの転送や画面共有は、「すげー便利!そんなこと出来るんだ!!」と説明を聞いて改めて少し興奮したほどですが、実際に全台一気に転送しようとすると・・・とても遅くて・・orz

結局USBで1台1台、地道にデータを移した方が効率的でした。txtファイルやxlsxファイルなどの比較的小さなファイルの転送だと使えそうですね。Scratchはちょっと難しかったです。

また、「画面共有」については、生徒に見て欲しいスライドをプロジェクターではなく生徒個人の各PCに映しながら授業をしてみると、なんというか・・

「これ・・もしかして『先生』の存在いらなくなりそぉ・・」

って雰囲気と感覚に陥りました。

理由は、

  • 生徒が全然教師の方向に顔を向けていなくても、授業が進められること
  • 教師が生徒一人一人の顔や反応を見て、理解しているかどうかを確認しづらいこと

の2点です。

上手に授業展開しないと「教師の価値や存在意義」は薄くなるようにも思えました。

生徒は画面見ればいいだけなので、前にいる先生の話なんて聞かなくてもいいような感覚になるので、少し危うい感触も。先生の誰でもが上手に利用できるシステムではないんだなぁと・・

単純に「ICT化」を進めたり、「アクティブラーニング」の名目だけで推し進めると、大変な事態も有り得るかもしれませんね。

 

先生も苦労が絶えない・・

先生方もいきなり情報授業の「必修化」と言われても困惑しますし、上記のインフラ事情も、先生個人のお力だけで何かすぐに改善するのは難しいでしょう。

そんな中で、先生方ご自身が様々な勉強と経験を重ねていき、さらに「今ある中で!」最も生徒にとって良い授業方法を考え続けておられると考えると、本当に尊敬の念が絶えません(T_T)

改めて・・・学校側だけで対処するのでなく、民間のスクールなどとの協力は必要不可欠ではないかと感じます。お互いに胸襟を開いて話し合えるような場所があるといいですね♪

 

その⑥けっこう体力がいる!

Scratchでもロボットでも、先生がただ教室の前で話すだけの授業にはしたくなかったし、それぞれ生徒の理解力や進捗、個性などを大事にしたかったので、自分も合わせて常に3名の先生はフォローアップの為に、教室の中を動き回りながらの進行。。。

結果は、全ての出前授業が終わるころには、体重3kgの減量に成功しました。

 

あー。

他にやり方あったかなぁ・・・

でも、プログラミングの授業では出来るだけ生徒に近い距離で話して、一緒に熱量を育てたいしなぁ・・

アクティブでない授業って面白くないですもんね。

 

その⑦教材選択が難しい

センサー3つとDCモーター2つがついているmBot

今回の出前授業を検討段階で、どんな機器を利用するのかが課題になりました。

検討したのは以下の5つ。

  1. なのか~(ちっちゃいものくらぶ、参考HP
  2. PCプログラミングロボ(アーテック、参考HP
  3. レゴWeDo(レゴエデュケーション、参考HP
  4. micro:bit(micro:bit教育財団、参考HP
  5. mBot(makeblock、今回利用したもの、参考HP

 

【条件】としては、

  • 値段が高すぎない事
  • センサーが付いている事
  • Scratchライクなプログラミングが出来る事
  • 準備が面倒でない事
  • 学生が見た目にとっつきやすい事
  • 限られた時間で活用できる事
  • ロボットを作ることが目的ではない

となります。

 

採用したのは、自分も普段利用している「mBot」となりましたが、一つ一つ検討時に思った事を書かせていただきます。(※優劣をつけるようなつもりはありません、念のため。)

 

1.なのか~       

4,000円(税別)で売られている、このロボットは、小さくてもちゃんとBluetooth接続が可能で、かつ、Scratchで操作できる魅力的なロボットでした。

しかし、実際に取り寄せて作成をしてみましたが・・

まず「半田ごて」で作成しなければいけないのが面倒くさかった!!(><)

1台当たりの作成に掛かった時間は40分~50分。

30人の生徒がいれば、2人1組として利用を考えたとしても15台分を作成しなければならず、そんな時間は授業時間としても、先生の授業準備時間としても取れないし、作成後のロボットの動作が安定しないこともあるようで却下となりました。

モノづくりを一人で楽しんだり、「工作の時間」として初めて半田ごてに挑戦する生徒にはいいかも。

 

2.PCプログラミングロボ       

アーテック社のロボットはどれも魅力的で、今や様々なスクールや学校での実績あるロボットですね。

検討段階で、自分が最初に思いついたのがこれでした。

楽天ショップなどでお見かけした赤外線センサーの着いた車型ロボットの値段は3,000円(税込)と安く、さらにScratchと同様のビジュアルプログラミングでコードレス!

かなり有力候補でしたが、残念ながら現在は取り扱っていないようで、どのサイトから探しても発注できませんでした。アーテック社のHPにある電子カタログには、どれも「学校納品価」とあり(今回は県が購入する)、かつ、どれもやはり「作る」ところから。

作る楽しさはもちろん良いのですが、授業時間がそれだけでほぼ終了してしまう可能性があり、中高生向けには少しだけ「おもちゃ感」が大きすぎることも気になりました。

できれば「おもちゃを作る授業」ではなく、「センサーを使って考える授業」として生徒の印象に残って欲しかったので却下。

ただ、今回のような単発の体験授業ではなく、継続的に学校での授業を行う際には、やはりアーテックさんは充実したラインナップが有って使いやすいなと思います。

 

3.レゴWeDo       

「レゴ」という名前は誰もが知っていて、非常にとっつきやすく、生徒にとっても魅力的に感じる名称かと思います。「今日はレゴを使って~・・」と、先生が授業を始めれば、きっと多くの生徒が目をキラキラさせるのではないでしょうか。

教材として、動画教材なども有り、もし「予算的に余裕」があれば、僕なら1クラスに何個も導入を検討します。

ただ・・・

問題は上記で触れたとおり「予算(値段)」ですね。。。

基本セットを購入で、安くても24,000円前後は、さすがに1クラス分を揃えるのは厳しいです(T_T)

ましてや、今後学校教材として利用しようとすると、地方の限られた予算枠では導入は困難。裕福な都市部では授業で利用されている事例があるようなので少しうらやましいです。

 

4.micro:bit       

県の担当者様から、検討初期に「これはどうでしょう?」と尋ねられた機材で、現在バンバン人気が急上昇中のアイテム。

値段もお手頃、電池パックなどをつけても2,500円前後で買えてしまう!

Scratchを利用した「ロボットを作る授業」ではなく、「プログラミングを楽しむ授業」が純粋に出来てかなり魅力的なものですね(*’▽’)

自分の中でもこれかなぁ・・と、心の中でいつまでも候補に残り続けましたが、却下の決め手となったのは、「コードレスでない事」と、基板むき出しの「見た目」でした。

これから始めてプログラミング授業を受けるに当たって、多少なりとも「見た目の楽しそう感」は欲しかったのですが、micro:bitはそこが他に比べて少しだけ劣る点と、コードでつなげて作成したプログラムファイルを入れ直すなどの「作業」が、授業中なんども繰り返してほしい「プログラミング自体のトライ&エラー」にとって、少しだけ煩わしいように思いました。

ただ、一度でもプログラミング授業を体験して、楽しさが伝わっているクラスには、今後はずっとこちらがいいなと考えています。

ブロックプログラミングだけでなく、JavaScriptにも簡単に移行できますしね♪

 

5.mBot       

最終的に県の担当者様と相談して決定したのが、このmBot(無線版)となりました。

値段は1台、13,500円(税込)。高額なロボット教材の中では、中間層に当たるとはいえ、それでも10,000円越えは予算としては厳しいものですね。(※現在は学校が発注すると10,000円以下となる模様)

ただ、注目すべきはこの値段の中に、すでにセンサーが3つ(赤外線・超音波・光)とDCモーター2つが付いており、作成も30分以内に完成する比較的容易な点。

また、Scratchライクなmblockというアプリでプログラミングし、無線でアップロード作業もなしで動作させることが出来るため、不要な時間を除けることが決定理由となりました。

大きさが・・・・かさばるけどね。。orz

 

下の写真はロボット選定のために、mBot発注が遅くなったので、到着後、県の職員様にもお手伝いいただき4名で黙々とmBot20台を組み立てている写真。朝9時頃から始めて12時前には全台20台が完成しました。

プログラミング出前授業以降は、県庁から教育委員会などに貸与して活用してもらうようになり、予算の組めない学校でも、これで道が拓けますね!

県庁mBot製造課?

 

その⑧プログラミング「で」何が可能か

2時間の授業の最後には、簡単なワークシートを配って、2人1組でざっくばらんな「アイディア出し」をしてもらい、いくつかのチームに発表もしてもらいました。

 

ワークシートの問いはただ一つ。

「自分の身の回りの問題を解決する機能をつくるとしたら?」

ワーク

※アリヤス様作成

 

ほんっとーに様々なところでよく利用される、

使い古したような、そんな問いかけですね。

今回は授業自体が体験的なものでもあるので、「例えばこんなセンサーがあるね」などのセンサーの種類や解答例を出しつつ、枠にとらわれない思いついたままを「自由」に検討してもらいました。

ScratchもmBotも始めて体験して、チームワークで課題にチャレンジした後に聞いたこの質問には、とても様々な解答が返ってきて、こちらもあっと驚く素晴らしいアイディアを頂けて、今後中高での授業を進める上で生徒たちの興味・関心や発想力の方向をみるのに、ホックホクの資料となりました。

以下、生徒が出してくれたアイディアの一部。

 

  • 火とかガスがつけっぱなしの時に呼びかけてくれる
  • 食べ物の彩度をセンサーで感知して消費期限を知らせる
  • 自分と似たロボットが学校に行って、授業を受けてそれを本人に伝える
  • VRのような感じで、目の見えない人につけて距離が近くなりぶつかりそうになったら音を出して知らせる
  • ねるねるねるねをまぜる(いい色になるまで見て判断する)
  • ゲームをしている時に親が近づいてきたら知らせてくれる
  • 釣竿のしなり具合で糸をまく
  • 物体の材質がわかって、その人によるアレルギーや病気を防ぐ
  • 3Dで地図が浮き出て来る
  • 水上ルンバ
  • 重い荷物を上に乗せてついてきてくれる

 

などなど・・

そのまま商品にもなりそうなアイディアも多そうですね。

もちろん実際の授業では、社会の結びつきの中で、より具体的な問題解決を目指すワークが望ましいかもですが、僕の大事にしたいことは、

プログラミング「を」学ぶ

ことではなく、

プログラミング「で」学ぶ

こと。

そう考えています。

 

まとめ

今回は、単なる体験授業のような内容だったが、それでもこれから学校で・・・さらに地方の教育現場で授業をしていくとなると、先生の負担軽減やインフラは喫緊の課題だと感じました。

また、プログラミング教育を実施していく上で、できればIT企業やプログラミングスクールとの接点を、学校側と教育委員会にさらに持っていただいて、もう少しだけシームレスに協力しあえれば良いのにと、本当に実感しました。

スタパ!も頑張っていかなければ!

 

一緒に授業を進行してくれたアリヤス様、県職員T様・・・

本当に感謝します!!

テキスト(プリント)一つ取っても、アリヤス様がいないと良いものが完成しませんでしたし、本来は委託した業者に任せっぱなしでよいはずの県職員T様に至っては、自らすべての高校での授業や準備を手伝って下さってヘロヘロになるまでフォローしてくれて、本当に頭の下がる思いです。

そんなお二人の助けを得られたことによって、最後まで滞りなく実施できました。

地方の・・・それも小さなスクールが、学校での授業を展開する上では、こういったフレキシブルな動きはとっても必要な要素でした。

 

個人的な思い・・・

巷ではやれ「論理的思考」だ、やれ「問題解決」だと、プログラミング必修化の話題が出るたびに、そちらばかりが目立って説明されるような印象ですが、

個人的には、以前安倍首相が「人工知能(AI)、ビッグデータなどのIT技術、情報処理の素養は、もはやこれからの時代の読み書きそろばんではないでしょうか。」と語っていることに現れているように、プログラミング教育って、「論理的思考」のみが目的ではない、ちゃんとPythonやHTML、Rubyなどの「コーディング技術」もプログラミング教育の学ぶべき内容としてもっと勘案されるべきと思っています。

ある総務省官僚の方が「大学入試をいずれCBT化させる」と講演で発言している内容も踏まえると、やはりプログラミング教育の先には、「グローバルな人材育成」という言い方よりも「不足するIT人材の確保」にこそ強い比重が置かれていると推し測ることができますしね。

 

 

長くなりましたが・・・

これから、学校でプログラミング授業を始めて検討される方、私と同じようにプログラミングスクールという立場で学校と協力して活動しようとされる方の参考になるところがあるといいなと思います。

上記読み返すと・・なんか、「もっとこうすれば良かった」って、自分の知識と知恵の足りなかった箇所が大いに散見出来ますけどね(泣)

 

ご感想等ありましたら、お気軽に下記メールアドレスよりお送りくださいませ。

 

スターティングPCスクール

代表/土居

stapa@outlook.jp